夢があれば世界は変わると
少年のひたむきな声は
大人たちの下卑た嘲笑に
掻き消されて誰にも届かない
愛がなければ触れられたくない
少女の切なる叫びは
目の前に広がる現実に
抗える事なく途絶えた
未来を絶望と呼ぶのなら
命は苦しみの種か
同じ数の涙を流したら
縋るように恋をする
傷ついた二人をつなぐものが
甘えと弱さでも
ひとひらの希望を与え合い
ただそばにいて欲しい
旅立つ二人の向かう先が
身を裂く悲劇でも
あなたがいるのなら構わない
抱き締めたぬくもりだけを信じてる
貧しくても心は満たされ
互いを糧に生きる日々
耐え難い痛みは孤独だと
知り過ぎた切実な愛撫
明日が変わらずに来ることを
旅路が終わらないことを
祈る先は神よりあなただと
眠る頬に口づけた
泣き濡れた二人の望むものが
自由と平和なら
欲深い願いに呆れられ
また石を投げられる
逃げ出す二人の目指す先が
名も無きエデンなら
永遠に辿り着けないまま
人知れず風に吹かれて枯れる花
あなたに会え幸福だと
ちゃんと伝えられたか教えて
凍てついた二人を悼む者が
一人もいなくても
最期の微笑みは変わらない
まだ愛し合うように
散りゆく二人の生きた道が
時代の犠牲でも
あなたといれたから悔いはない
抱き締めたぬくもりだけを信じてる