燈籠揺れる宵の口
湯の香纏わせ 艶やかに
乱痴気騒ぎ一瞥し 凛と引く紅一文字
嗚呼 浮世小路 蔑まれるうちが華で
いつか散らす命なれど 咲かせ繚乱夜桜
惚れたなら 尽くすは誠
天下無双の懐刀
最後の涙と誓いを立てた 十五の神無月
謡い舞え 征く旅路は
荒波承知のおんな道
粋に契り交して 相傘でまた何卒
狂乱月下 忍ぶれど
修羅場の数は 伊達じゃないわ
痺れる程の意地比べ
差し向かう覚悟はあるかしら
泡沫の世に猶予えども 詮無き事
嘘と欲で染まる街を奔れ 疾風迅雷
冴え冴えと通すは仁義
天下御免の人情啖呵
一六勝負 強かに斬り込む露払い
幕引きは哭く偃月
照らした無数の影法師
熱き血潮で濡れて 野暮な喧嘩も上等
人肌の燗 こんな夜はやたら沁みて
いつも言えぬ綺麗事も 戯れになる夢時雨
仮初めの事無き御代も
天下泰平 思いを馳せて
真実一路の生き様が 明日への道標
比類無き度胸で示す 燃ゆる絆と心意気
名残明け星 見上げて 射るは一筋 答の矢